蝉の視点


梅雨明けのこの時期、蝉の幼虫を時折見かける。
羽化する場所を探し、歩道に出てきてしまう。


今夜も一匹捕まえて、木の下まで連れて行った。
街灯の下を通る時、蟻まみれで踠いていると分かった。


幼虫は動くのが遅いので、蟻が見つけると一気に群がる。
出てきたそばから、過酷な世界だと思う。



お腹の中で成長し、出てきた所で鼠の群れに喰われる、人の赤ちゃんの様だ。
そう思うと、幼虫は不憫である。


でもこれが自然の摂理だと思うと、私は安全な状況下で生かさせているので、
恵まれているし、ありがたいと思う。



時には、蝉の視点で自分の人生を見てみるのも大切な事だと思う。